朝、携帯のアラームで目が覚めると姫がタバコを吸っていた。

美『おはよう。』

姫『ごめん、ベッド占領してた・・』

笑いながら姫は言った。

美紗子は今日は仕事。

姫は大学なのだがもちろん行くはずはない。

昨日の事件は当たり前なのだが、かなり姫の心に大きな傷を残している。

今、姫が表面だけでも笑っていることが美紗子はスゴイと思っていた。

本当は心から笑ってるのではないとわかっていたが、強いなと思った。

姫『さ、家戻ろうかな・・着信すげーきてんの。見る?』

見てみると家やお兄さん、お母さんから着信だらけでメールもたくさんだった。

もちろん友達なども交じっていたが。

それで、みんなが姫を心配しているということがわかった。

暖かい家族、優しい友達なんだろうなと美紗子は思った。

家族に恵まれていない美紗子にはすごく羨ましかった。

美『帰って顔見せてあげなよ。心配してるだろうし。家まで送る。』

そういって今日は美紗子は朝食を抜いて姫を家まで送ることにした。