今、美紗子は毅と歩いている。

月に照らされた影も2人と小さく1匹がうつっている。

毅に翔がそこにいるから離れてと言おうとしたが時すでに遅し。

美紗子の車を帰ってきたとき見たのか、翔は車から降りてきた。

毅は前に見た2人の姿を覚えていて、すぐに車から出て、こっちを見ている翔が美紗子の彼氏だと気付いた。

だが、今はやはりさっき自殺を考えていたという姫が心配だったため

毅『大丈夫?やばい?でも姫心配だし俺、部屋行ってていい?りんご、ちゃんと足拭いて入れるから。』

と美紗子に言った。

翔『ちょっと待って。部屋?あがるの?』

翔がここはやはり当然だろう。

つっかかってきた。

最初の大丈夫?やばい?という言葉で完全に誤解している翔に美紗子は全てを説明しようと思い

美『ごめん、毅くん先に行ってて。話して来る。』

と告げ、毅に先に行かせた。

それから翔にりんごのこと、姫のことを話した。

いつもは穏やかな翔の顔は今日だけは違った。

当たり前なのだがやはり美紗子はこわかった。