肩を竦めて、シュウは俺の顔からサングラスを外し、自分が掛けていたフレームの太い黒縁メガネを代わりにかけた。
てっきり度が入っているものだと、顔をしかめればどうやらこれは単なるダテメガネだったようで、視界はクリアなままだ。
「…いいのか?」
「うん、これと交換ね」
嬉しそうにシュウが俺のサングラスを頭にかける。
「おい!」
「いいでしょ、それ、似合ってるよ」
ご機嫌に鼻歌を歌いながら、5月の新緑の中、シュウの足取りは軽い。
すぐに商店街へ行くのかと思いきや、シュウはお気に入りだという川に架かる橋から午睡にまどろむ町並みを眺めてみたり、首から提げるカメラで写真を撮ったりと忙しい。