その様子を見て、薫子さんはぎょっとした顔をした。


「シュウちゃんに…、もしかして、怜二君!?なぜ、あなたがこの部屋にいるの!」

「……へ?」


"怜二"という名前に、ピンと来た。

バーで酒を飲む彼女の顔を見て、誰かに似ているとは思っていたのだ。思わず目で追いたくなる美形、切れ長の二重、印象的なブルーブラックの瞳。

どういう理由かは知らないけれど、女性の衣服を纏ってもなお、溢れ出る雰囲気はそう容易く隠せるものではない。