目の前で、無数の星が散った。
顔面を殴られたのなんて正直生まれて初めての経験だ。脳みそがぐらぐら揺れて、思わずその場にしゃがみこんだ。
殴った本人は、恐怖に顔を引きつらせて、心ここにあらずだ。
その様子を後ろで見ていたシュウが、目を大きく見開いて、「静香!」と叫ぶ。そして、「こんにゃろう!」と声を上げて、彼女に向かって飛び掛った。
既に深夜だというのに、ぎゃあぎゃあと声を上げるふたり。
というか、一方的にシュウが掴みかかって(一度切れると手に負えない)、彼女は応戦するばかりだ。
これはそろそろ…。