がば、と起き上がって、暫らく放心したように俺とシュウを見つめたあと、きょろきょろと周囲を見渡している。

完全に混乱していた。

そりゃそうだろう。なにしろ、彼女が最後に覚えていることといえば、バーでテキーラをがぶ飲みしたことなんだろうから。


そして、暫らくして自分の肌蹴た姿を見下ろしている。


「あ、君…、」


安心させようと、ゆっくり手を差し伸べたときだった。

反射的に、全身の力が込められた彼女のコブシが、俺の顔をぶん殴った。