携帯でオフィスに連絡を入れ、今日は仕事場に戻らずに直帰すると伝えれば、文句ひとつ言わず「気をつけてな」という言葉を頂いた。
『星とヒバリ社』
業界不況のご時勢で、いつ潰れてもおかしくないくらい、小さな出版社だ。それでもこうして生き残っていられるのは、小林秀宇の作品を独占的に出版出来ているからにほかならない。
彼女ほどの人気があれば、もっと良い条件を出す出版社など山のようにあるはずなのに。
そんなことをぼんやりと考えていたときだった。
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