がしゃん、とガラスの割れる音。それは彼女の席から。


「お客様、」


空になったテキーラのショットグラスと、芹生が用意したレモン水の入ったグラスが、床におちて粉々に砕け散っていた。

彼女の纏う衣服は、水で濡れてしまっていた。


「…つめたい……」


呻くように言って、そのままばたりとカウンターへ突っ伏してしまった。