「どうやら疲れさせてしまったようだね」



少し悲しそうな表情になったレオンを見てティナは慌てた。



「え……ち、違うの」



「どう違う?」



レオンの頭が傾き、鎖骨に唇が触れた。



「ぁ……」



「私のことだけ覚えていればいい」



顔を上げたレオンの顔は憂いをおびていてティナの心臓が跳ねあがる。



「意味が……」



わからない……と言おうとしたが、レオンの薄い唇に塞がれた。



自分の妻である限り、ティナにいつも危険がつきまとう。



美しく、ぞくりとしびれさせるほどの甘い血を持ったティナをヴァンパイアたちは放ってほけないのだろう。



そして無邪気なお前は誰をも惹きつける。



だが、ティナは私の最愛の妻。



もう2度と誰にも触れさせはしない。



唇を重ねながらレオンは自分に誓っていた。





END