ハッとしてティナは目を覚ました。


私……。


長い夢を見たような……ぐっすり眠ったような……。


ゆっくり身体を起こし、床に裸足で立つ。


何だろう……記憶が……。


等身大の鏡の前に行き姿を映す。



「えっ……?」



大きく開いた夜着の胸元にたくさんの斑点を見つけてあ然となる。



カチャ……


ドアが開きレオンが姿を現した。



今までどこかに出かけていたようなエレガントなスーツ姿。



「レオン、私……」



「どうした?」



戸惑う空色の瞳が可愛らしいとレオンは口元を緩ませる。



「こ、これ……」



指で自分の胸を示す。



「記憶がないほど良かったのかな?」



視線を合わせたまま、レオンの手がティナの両肩をそっと掴む。



「えっ?えっ?……」



本当に記憶がない……レオンとお庭で雪を見たことしか……それって昨晩の事?



めまぐるしく頭の中で考えるティナ。