「アシーネ」


エミリオの顔に笑みが広がる。



窓の外から美しい女性が姿を現した。



「間に合って良かったわ」



真紅に塗られた口紅の口がホッとしてから笑う。



「本当に君が来てくれて助かったよ」



「バカな男、閣下を陥れようだなんて」



床にたまった灰を見てフンと鼻を鳴らす。



「レオン、ティナちゃんはどう?」



レオンの腕の中で気を失っているティナを見てエミリオは眉根を寄せた。



「早く屋敷に戻ろう ここは灰が多くて煙い」



レオンはティナを抱いたまま立ち上がると崩壊したドアに向かった。