「本当によく聞く薬だ 奥方の方から私を求めていますよ」



「やめろ!ティナに触れるな!」



レオンの怒りは再び短髪男とティナの身体を吹き飛ばした。



「レオンっ!」



エミリオが叫ぶ。



ティナの身体はガラスで血まみれだ。



痛みにティナは呻いた。



ティナに触れるな……?



再び入ってくるレオンの声。



私に触れているのは……誰……?



そう考えた時、馬に乗っている男がエミリオでないことを思い出した。



意識が戻って来る……。



「ティナ!」



レオンが側にいるの……?



ぼんやりする目を抱きしめている人物に移した途端



「いやーーーーーっ」



ティナは正気に戻った。