「きゃーっ!」



自分の身体を囲う様に後ろにいたのはエミリオではなかった。



似ても似つかない黒髪の短髪の男。



人間のようだったが、目だけが赤くティナを見ている。



「まったく世間知らずな皇帝妃ですね」



ティナが腕の中から抜けようとすると、ウェストをがっちり捕まえられてしまい身動きが出来なくなる。



「本当に素晴らしい香り さあ、仲間が待っています 貴方は私達の仲間にもうすぐなるのです もう二度とレオン閣下に会いたくないときっと思うようになりますよ」



「何を言っているのっ!?離してっ!」



ティナは男の腕の中で暴れた。



しかしびくともしない。