エミリオ様はヴァンパイアの世界に帰らないみたい。



ダーモッドが部屋を用意している。



どうやらエミリオ様は忙しいレオンの代わりに私を護衛しにきたみたい。



はっきりとエミリオ様は言わないけれど。



そして、地下牢に入ったはずのケイティは元の部屋に戻っているとダーモッドから聞いた。



なにがあったの？



「レオンはどこ？」



「ご主人様はあの娘の家に行っているんだ」



「ケイティの……」



「おそらく戻って来るのは明日だから、エミリオ様がいらっしゃったんだよ」



「そうだったんだ……」



エミリオ様を護衛に付かせなくちゃいけないほど危ないってこと？



何度も危機に陥ったティナで、生きているのが奇跡な出来事もあった。



ティナは左指にはまったルビーの指輪にそっと唇をあてた。