翌日、ティナが居間に行くとソファーにエミリオが座っていた。



「エミリオ様っ!」



エミリオの顔を見て笑顔を浮かべたティナだ。



「おひとりだったんですね」



「ああ レオンは忙しいらしいね」



「はい そうみたいです……」



昨日、寝る時も傍に居なかったのに、今朝起きた時も姿はなかった。



枕のくぼみで隣に眠ったことが分かったのだけど。



「ティナちゃん、ヴァンパイア志願の娘は用心した方が良いよ」



「えっ……?」



「ティナちゃんは誰でも信用してしまうからレオンも心配が絶えないんだ」



「……そんなに心配をかけてしまっているのですか?」



「まあね、ティナちゃんに出会ってから驚くほど心配性になったようだよ」



ククッと笑みを漏らすエミリオ。



「そんな心配しなくてもいいのに……」



ティナはため息を吐き言うと、さらにエミリオは笑った。