寒空の下。

あなたは何も言わずに

手を握ってくれた。

あたしはそれに

答えるかのように

強く、強く握り返した。

この手の相手こそが

あたしの愛するひとなんだ。

独占欲が強いのかもしれない。

でも、あたしはこの手を

離したくはないよ。


「あと10秒だけ・・・」

そう言ってあなたは

あたしをぎゅって抱きしめた。

・・・あれ?10秒ってこんなに

短かったっけ??

幸せな時間はあっという間で、

一瞬をつかみ取らないと

簡単に終わってしまうから・・・。

だけど、幸せになることを

急いじゃだめなんだよね。

ゆっくりゆっくり

あたしたちのペースで

幸せになっていこう。

他のひとに抜かされたって

いいじゃない。

他のひとと比べなくたって

いいじゃない。

あたしたちにはあたしたちの

幸せのかたちがあるはずだよ。


もしもケンカしちゃったら、

また一から始めよう。

何度でも何度でも

やり直しはきくんでしょう?

お互いが意地っ張りだからね、

ふたりとも素直になってみようよ。