それから
黒澤との付き合いが始まった

でも同じ職場
私は主任という立場もあり
仕事も充実していたので
周りにばれちゃいけないという毎日が緊張感

彼も職場では何でもないような 態度だった

でも彼のマンションに帰れば
それは 誰も知らない2人の世界 ほとんど同棲に近かった

そんな私の態度がわかるのか 仕事しながら下の子達も

「槇原主任もしかして結婚近いですか?」
なんて 茶化してくる

「何いってるの ナイナイ」
と言ってはみるものの
マスクの下はにやけてるのが自分でもわかる

付き合って1年半になろうかという8月の私の誕生日に
「結婚しよう」
彼はそう言ってくれたから

でも言われた時私は 彼のその言葉は すごく嬉しかったけど
すぐに はいとは言えなかった

「どうして…?」

「実は私…」