「おじゃましま~す」
リビングに入ると

お蕎麦と 天ぷらまで テーブルに並べてあって
「すご~い」
思わず叫んでしまった

「早く食べよ 俺もお腹減った」
と空也がキッチンからビールとグラスを持って 座った
私も隣に座り

「これ空也が揚げたの?」
「そうだよ 俺何でもできる子だから」
と笑う

「すご~いね どこで習ったの?」

「自己流 俺んちお袋早く亡くなってるし、
親父も兄貴も、弟も皆何も出来ないから結局俺が食事とか作ってたんだよね」

「そうだったんだ でもすごいね」

見た目ではわからない苦労もしてきたんだね
なんか一人で感心しながら空也の手に見とれて

ビールを注ぐ手がやっぱり色っぽいと思った

「さぁ食べよ」

「いただきます」

「美味し~い」

なんともサクッとした衣も揚げ方が上手
美味しいものを食べると幸せな気分になれる

「小夜子さんて何でも美味しそうに食べるね」

「何でもじゃないよ美味しいからだよ」

「そう、それなら作りがいがあるよ」
と嬉しそうな空也の顔は満足そうだ