なんとか 片付いた部屋を見渡すと ホント殺風景

リビングにはソファーにリビングテーブル テレビ
寝室にはベッドのみ
梱包した段ボール箱 もなんだかんだ クローゼットや押し入れに片付いて

潔くちょっと捨て過ぎたかなと思うほど

こっちに着いたとき
空也が
「手伝おうか」って 顔を出してくれたけど

「大丈夫だよ」って断った
ちゃんと気にかけてくれているとこが嬉しいね


時計を見るともうすぐ8時
ピンポーン
玄関チャイムがなった

モニターを見ると空也が 立っている


「どうした?」

玄関のドアを開けると

「ご飯まだでしょ
お蕎麦ゆでたから引っ越し蕎麦食べよ」
とニコっと笑った

「えっ作ってくれたの?
ご飯のことなんてすっかり忘れてたよ そう言えばお腹空いてるかも」

「そうだと思ったよ
じゃうちに来て」と笑いながら空也は先に部屋に入った

その後ろ姿にさえも
オーラがあるというか
本当にに産まれもった素質があるんだなぁと
染々思う

そんな子に40近いおばさんが連日ご飯をご馳走になるなんて どう考えても可笑しいよねっと思った けど
グゥーっとなるお腹の音 いい大人が情けない

でも食べる物もないし
鍵をかけ隣に向かった