「寝坊したのは俺だけどちゃんと 事務所まで着くよね 俺運転しよっか」


「大丈夫です 任しといて」


エンジンをかけながら
意気込んでみたが
後部座席の空也には全然信用されてない


「ねぇ小夜子さんもこのマンションに住むの?」

ルームミラーをちらっと見ると空也と目があった

「はい、
なんかお隣みたい 
このお休みに引っ越さなきゃ」


「なんだよ、見張りっぽいな」

とちょっと呆れ顔

でも
「せっかくの休み休めないじゃん 俺手伝おうか」

なかなか優しいことを言ってくれる

「ありがとう
でも大丈夫黒木さんが手配してくれてるから 
それに新生活にしようと思って荷物もうんと少ないのよ」


気にかけて気づかってくれるところがやさしい

さっきの意地悪っぽいとことのギャップも
またこの子の良いところだなぁ って

なんかどんどん母親目線になっていく(笑)