3人と 出番を待ちながら
光星が私に聞いてきた

「ねぇ 何で小夜子さんナース辞めちゃったの?」

「えっ」

いきなりで ちょっとたじろいでしまった

きっと 光星は素直に疑問に思ったことを聞いてきただけで 深い意味はないんだろう

「えっと…」

答えに困った


「別に言う必要ねぇだろ」

空也の低い声がした

彼は 腕を組みながら床に視線を落としている


そんな空気を察してか
海斗が

「ばーか光星 今美奈子さんに思ったことすぐ口にするなって言われたばかりだろ」
と言いながら光星の 頭を軽くはたいた

「ごめん 小夜子さん 」
光星はペロッと舌をだした

首を横に軽く振る私

そんな光景を 見て 空也は優しく見守るように微笑んでいる

この子は
なんて優しい顔をするんだろ…
って思った