私達の関係は

ふらふらしてる天秤だ。

すごく曖昧で はっきり答えがでない。

ほんの少し、重りをたすだけでどちらにもかたむいてしまう。

私の一言で 望まない方に傾いてしまうのが 怖い。


―だから 何も言えない。

結局、私は臆病なんだ。


このままでいいはずがない。

曖昧なままじゃ いつかは崩れてしまう。


分かっていても

どうしても

言葉が出てこない。


言いたいことが全部胸に詰まってしまったように 苦しい。

苦しい。


この場から逃げ出したい、、



―そう思った矢先、

「司!沙夜ちゃん借りる!」

「「え」」


突然 翔さんが叫んで

いつの間にか 手をつないで走り出していた。


―「沙夜っ!」


司の声がだんだん遠くなっていった。