★沙夜side





「ごめん、沙夜ちゃん。もう大丈夫」

そう言うと翔さんは私から手を離した。

「ごめんね、司に怒られちゃうね」

「司には言わない。」

私がそう言ったら、翔さんはすごく驚いたた顔をした。

「どうして?」

「、、あんまり心配かけたくないから」

こないだも嘘ついちゃったし。

ちょっとは心配してほしいなんて言ったけど

司が心配性なのもよく知ってるから。


「そっか」

翔さんは微笑んで

「帰りな。司のところに。」

そう言った。

私は頷いて 司の部屋に向かった。

嘘に嘘を重ねて。今思えば、これが司と別れる原因だった。