そして高1の今に至る。
「美和、乗ってく?」
俺は自転車を指して
美和に尋ねる。
「うん!!乗るー♪」
可愛らしい笑顔で
俺の後ろに乗る美和は
あの頃と何一つ変わらずに
ここにいる。
それが俺にとっての
幸せ……。
「司くん」
自転車を漕ごうとした時
美和に後ろから呼ばれ
「ん?」
俺は後ろを振り向いた。
――――ちゅ。
俺の口に柔らかいものが
当たった。
「えと……よろしくです」
耳まで真っ赤になった美和が
言った。
「あぁ…うん」
あ、あれキスか!!!
やべー
めっちゃ可愛いし。
そんな事を思いながら
自転車を漕いでいった。
あの頃と変わること。
それは美和が俺の“彼女”ってことくらいかな。