そのせいで
どれほど美和が悲しんだ事か…………



「あたし、倒れたくて倒れたんじゃないのに」



そう言って俺の胸で泣く。
ただ俺は美和を抱き締めることしか出来なくて…。



俺も無力だなって思って
すげー悲しかった。



守るとか言っといて

抱き締めることしか出来ない。



それが、あの頃の俺には
耐えられなかったんだ。






「……美和?」




「どうしたの?…司くん」



涙目で俺を見つめる美和が
愛おしくて
もっと傍で守りたくて


俺は言った。



「付き合わない!?」


「え……」



「俺もっと傍で美和を守りたいんだ……ダメかな?」


顔を真っ赤にさせて
小4の俺は言った。


すると美和は




「うん、いいよ」




笑顔で答えてくれた。