「わわっ!鈴木くんだ」



先にその名前を
口にしたのは実里ちゃん。

あたしは
鈴木くんの声を無視して
黙々とカレーを食べた。



「実里ちゃんだよね!?
わー、やっぱ近くで見ても
可愛いな」



「そんな事ないって!」



実里ちゃんは頬を赤らめて
嬉しそうにしている。



口説くの上手いな、

鈴木くん。



あたしの実里ちゃんを
取らないでほしいよ。




「俺もココでパン食べよ♪」



実里ちゃんを
口説き終わった後
そう言って鈴木くんは
あたしの隣の席に
ためらいもなく座った。