美和が逃げないように
俺は右手で美和の頭を後ろから抑え、左手は
美和の右手と重なっていた。
「んんっ…………んぁ……」
君の愛しい声が
聴こえる。
俺は無我夢中になってたんだ。
数分して
ゆっくり美和から離れた。
「く、苦しいょ」
「ははっ♪ごめん」
涙目で俺を見る美和の頭を
俺は笑って撫でた。
「笑わないでよー」
そう言って君は笑った。
ずっと
こんな日が続いていけば
いいのに…………
“将来いるかどうかも
分からない相手”
急にさっき告ってきた女の声が頭に響いた。
そうだ。
美和には……
俺以上の将来なんて
ないんだ…