女の子が立ち去ってから
何分もかからない内に
俺の彼女はやってきた。



「ごめんね、待った?」



息を切らせながら
美和は言った。

体が弱いっていうのに
走って来たのだろう。



――――俺の為に。


そう思うと
君が更に愛おしく想えて


抱き締めたくなった。


ぎゅっ


君が潰れない程度に
優しく抱き締めた。



「つ…司くん?」



驚いたような声で
俺を見つめる美和。



「全然、待ってないよ」



そう言って
俺は君に笑いかけた。