「今は意識も取り戻して
保健室にいるけど」



“きっと大丈夫”


鈴木がそう言いかけた時には

俺は走っていた。



「美和……!」



荒々しく走り抜ける俺を
鈴木は





「全く…敵わねーわ……。
あんなに高月を
想われてたら……」



そう言って舌打ちをして



「まっ!
譲ってやるよ、工藤」




そんな事を
言っていたなんて

走る俺には

全く聞こえなかった。