あれは6才の頃。
まだ幼かった俺は
よく彼女の家へ行って
遊んでいた。
彼女は体が弱かったから
外で遊ぶのを控えて
家の中で折り紙や
人形ごっこをした……
そんな彼女に
俺は毎日つきあった。
「司くん……」
「なぁに?美和ちゃん」
彼女の名前は“美和”。
「外…行きたいな」
「…?じゃあ行こうよ」
「ダメだよ!
あたし怒られるもん…」
「じゃあ僕が外に出したって
言えば大丈夫だよ」
俺は悲しそうに俯く彼女に
笑いかけた。
「……いいの?」
顔を上げて君は言った。
「いいよ。
さぁ、行こう♪」
そう言って
彼女に手を伸ばした。