「優、動物とか好き?」




隣を歩く木下君が私をみる。




「うん、好きだよ」

「ほなさ、明日、動物園とか行かへん?」

「動物園?」

「うん。映画とかでも涼しくてええかなーって思ってんけど、映画館やと全然しゃべられへんし。動物園でのんびり散歩とかのがええかなー思って」




木下君は続ける。




「一応、初デートの誘いなんやけど…明日が無理なら、いつでもええんやけど…」





木下君は少し首をかしげながら、あかん?みたいな表情で私を見る。



……あかん訳ないです!

私は赤くなりながら答える。




「わっ…私も動物園!木下君と行きたい!」




私の力の入ったおっきな声に、木下君は笑う。





「よっしゃー♪ほな明日は動物園な」