「あ~。なんかごめんな? 俺なんかと帰る事になって・・・」

 すまなさそうにそう言われた。

「ううん! そんな事無いよ」

むしろ光栄です!! とても。
 男子と下校できる日が来るなんて思ってもみませんでしたから。
 しかも啓汰君。心の中でそう呼ばせていただきます。あぁ、神様。幸せはこないと思ってましたが、実柚はとても幸せです。

「・・・大丈夫?」
「え、ご。ごめん。ちょっと緊張してて。男子と帰るの初めてだから・・・」

 突っ込まれたが、我ながらナイス理由だと思う。事実だし。

「そうなんだ。じゃ、俺が初めて?」
「う、うん」
「そんなに硬くならなくていいから、軽くいこう?軽く」

そんな啓汰君の言葉をきっかけに、軽くお話しながら帰った。

 
 上機嫌で一人暮らしをしている家に帰ってきたら、家の前に人影があった。

「だれ?」
「お嬢様」

あぁ。 こいつ、きたんだ。

「そんな嫌そうな顔をしないで下さいよ。傷つきます」
「嘘付け!!」
「嘘じゃありませんって」

だんだん埒があかなくなってきたのでさっさと切り上げようと言う。