「へぇ……嬢にしては思い切ったことをしましたね」

明に感心された。明の私のイメージっていったい……

「しかし転校はやりすぎじゃないですか?」

「でも、自由と言っても彼に被害がいったらと思うと……」

これには明も何もいえなかった。アイツの怖さは身にしみている。私も、明も。

 私を庇っていろいろしてくれた明は小さい頃からの大切な人。お父さんの次に、だけど。

「とりあえず、考えておきますね。それで決行はいつですか?」

「明日」

「明日!?」

やっぱり驚かれた。早いのかな? 問題は先送りにしたくないし。
 父さんからは私は逃げているけれど。

「思い立ったら即行動……相変わらずですね。で、計画は?」

呆れながらも聴いてくれるそうだ。さすが!! 執事と言うより、幼馴染みたいだ。
 今思うとそうだったと思う。でも主従関係だったから、普通とは違うな。じゃなくて。

「えー。コホン。いままでやられた振りして、明の技術である程度偽装はしてきたけど、傷はあるから大きい事は出来ない。ので、私のことをばらします」

「……それは十分大きい事だと思いますけど」

「ともかく、昼休みは教室でやってるからそこでやる。啓汰君もおそらく見に来てくれる筈だから、そこで」

「〝啓汰君〟? もう名前呼び?」

そこにニヤニヤしながら反応したが、無視した。

「と・に・か・く!! 一応、明も学校来てね。何が起こるかわからないから」

何かやるんかよ……と明がぼやいたが無視して、明日やる事を考えていた。

 復讐だよ。とニヤニヤしていたら、こえぇよ。と言われた。