戸惑いながらも優しく抱きしめてくれる腕に、余計に涙が出た。 泣き続けること数分。 ようやく落ち着いた私に、恵ちゃんが「どうした?」と聞いてくる。 「……」 「亜里朱?」 心配そうに、不安そうに、真っ直ぐ目を見てくる恵ちゃん。 「…あ、あのね?」 「ん?」 「恵ちゃんがもう帰ってこないと思って…」 「……」 .