雄哉が拾ってくれてあたしの今がある。


雄哉があの道にいたから・・・


あたしは生きている。


だから雄哉が紅也をたらしこめって言ったときだって


何とも思わなかった。


むしろ雄哉の役にたつんだ。

そう思えた。


でも実際紅也って奴に会ったらホントにいい奴で惚れそうになるのを何度も我慢した。


あの腰に腕回した時だって、キスしたときだって・・・

全部全部どきどきしてた。

でも雄哉は言った。


「紅也に惚れるなよ・・・あいつには中毒性があるかもしれないけど。
 たいていの女は落ちる。
 俺に御礼したいという気持ちが少しでもあるなら紅也に惚れるな。
 惚れたっていいだしたらそのときは俺と美華の関係も紅也にばらし
 お前は家を・・・ここを出てってもらう。
 俺らは赤の他人になる。わかったな?」


「・・・はい。」


あたしは絶対に惚れない。

そう思ってた。

でも惚れそうになるから何もかも雄哉といると思って

想像してた。

でも雄哉よりも優しくて純粋で

暖かな心を持っている紅也を傷つけてる自分が醜かった。


こんな形でも紅也とキスできて。

抱きつくこともできてあたしは嬉しかった。

誰よりも・・・


紅也に惚れそうになった・・・。












紅也・・・ごめんなさい・・・。