白諸雲が人物画が上手いか下手かは別として、モデルの小百合ならば本物の絵がどちらか判るだろうと思っていたのだが……


小百合
「どっちも私の顔にソックリだから、判らないわね♪」


ひろき
「どこがソックリなんだか……」


かえで
「祖父は、母が気に入る絵が描けるまで何枚もその絵を描き直しさせられたそうですよ。」


シチロー
「白諸雲が人物画を描かなくなったのが分かる気がするよ……」



シチローは、額から取り出した絵を顔より高い位置に持ち上げて見上げなから皮肉めいた言葉を発した。