そこにいたのは
白い肌に赤い唇、華奢な体、サラサラの長い黒髪に清楚な木綿の小袖を着た美しい少女だった。
「いえ…大丈夫でしたか?」
俺はそんな彼女に思わずドキッとしながらも言葉を返した。
「はい…お強いんですね!!あまりにも殺陣がお上手だったのでびっくりしてしまいました!!」
彼女は、はにかみ笑顔を見せた。
「いやいやそんなことないですよ」
「またまた〜!!あ、お礼がしたいのでお名前教えて下さる?私は美沙(みさ)と申します」
「あ、俺は慎です。」
「慎様ね。良いお名前ね!!」
「いやいや…美沙こそ良い名前だよ」
俺は笑顔で返した。
美沙、か。
とても素直で純粋な女の子だな…
城の女達とは大違いだ。