――ある日のことだった。 俺は少し息抜きでもしようと城下町に降りることにした。 毎日毎日あんな窮屈な城になんか居られたもんじゃない。 俺は使用人の目を盗み、城を抜け出した。 まだ昼下がりだから辺りは明るい ちょうどいい 戻る頃には暗いくらいがちょうどいいし…… そんなことを思いながら俺は黙々と歩き続けた。 ――その時。