-Saya asid-

「沙耶、そろそろ薬飲んで。」

「はーい。」

「沙耶、具合の方はどうだ?」

「うん。遠藤先生からもらってる薬が効いてるから大丈夫。」

遠藤先生はあたしのかかり付けのお医者さん。
小さいころからお世話になってる人の1人。
あたしの白血病の手術をして治してくれた。
今でも、周りの人よりも抵抗力が弱いから
薬で少しずつ回復している途中。

「じゃあ、そろそろ行くね。」

「行ってらっしゃい。」

「行ってきまーす。」


外を出ると葉瑠がいた。

「おはよー葉瑠。」

「おはよ、沙耶、奈津。」

「おぅ。」

勝本葉瑠、16才。
なーちゃんとは正反対の性格。
やさしくて、穏やか。

あたしとなーちゃんと葉瑠は同じ学校に通っている。
いつも3人は一緒、これから先も。