「み、み、美樹~!」

「あぁ~もう、椎香大丈夫?」


困り顔の美樹が頭をなでて慰めてくれる。


「あたし何かしたかなぁ…」

「椎香は何にもしてないと思うよ…?」

「そうだよねぇ?」

「うんうん。」


優しく慰めてくれる美樹に、何で避けられてるのかを必死に聞く。


でも思い当たる節がない。

いや…あ、1つある。


「分かった…。

あたし、この間泰ちゃんが小汚ないくまのキーホルダー持ってたの。

それをあたしにくれようとしてたのに散々バカにして断ったんだ…。」


絶対それだ。
あの日を境に避けられてるもん…。
泰ちゃんせっかくとってくれたのに…。


「え、絶対違うと思うんだけど。」


「え、違うかな…」


おどおどしているあたしに「は?」という顔を向ける美樹。


大きくため息をつき、

「あぁ~もうどうしよう…」

とつぶやいた瞬間、またドアが開く。


「美樹!俺もう無理だわ!」