「泰ちゃん、真奈のこと好きなのかな…。」
あたしは放課後、美樹に相談をした。
「…好きじゃないんじゃない?てか告白しちゃえば分かるんじゃない?」
笑いながらワクワクした目で言ってきた美樹に少し怒っていると、教室のドアが開く。
そこには泰ちゃんが。
部活中の練習着姿がいつもに増してかっこよく見えた。
「「あ。」」
あたしと泰ちゃんの声が重なる。
「…泰ちゃんどうしたの?」
今なら無視されないだろうと声をかけたのに泰ちゃんから返ってきた言葉は、
「いや、別に」
だけ。
あたしはこらえられなくなって目に涙がたまった。
美樹がぎょっとしていたけど目頭をおさえて何とか涙を流さないように踏ん張った。
そんなあたしの様子を知ってか知らずかそのまま部活へと戻っていった泰ちゃんを見送った瞬間涙が止まらない。