春になり、入隊の日になった。


第二師団第三連隊第一大隊下独立第七小隊は現在練馬区に駐留している。


世田谷区民の俺と紫央里はバスで向かうことにした。


「いよいよだね」


「……うん」


二人とも緊張が解けない。


昨日まで中学生で今まで拳銃一つも持ったことが無いのに。


今日からいつ死ぬか分からない兵隊だ。


そんな理不尽な……理不尽すぎる。