そこから先は、スムーズに進んだ。
老人が指示をすると、大きな門が軋んだ音を立てて開く。
そこを通り抜け、広い庭の長い一本道を進むと、階段の先に豪華な装飾の扉が見えた。
「…久しぶりだな」
ポツリと呟いたアスティの横顔は、嬉しそうに見えた。
その扉をくぐり、城の中に足を踏み入れる。
「王子、先ずは小広間へ」
「うん」
老人に促され、あたしたちはこの城で比較的小さな部屋に入った。
扉を閉めると、老人が口を開く。
「…王子…元気そうで何よりです」
「うん。チェディもね」
老人は嬉しそうに微笑むと、ふとあたしに視線を向けた。
「ところで王子…このお嬢さんは?」
「ああ、リオだよ。オレの仲間」
「り、莉緒です!」
アスティに紹介されて、慌てて頭を下げる。
「そうですか、王子の…。私はこの城の大臣を務めております。チェディです」
そう言えば、アスティが頭がいい大臣がいるって言ってた。
それって、チェディさんのことかな。