アスティは肩を揺らしながら、あたしをじっと見た。


「リオとエルって、やっぱり似てるよね」


その言葉に、全身がぶるっと震えた。


「や、やややだッ!あいつと一緒にしないで!」


「何で?」


「何でって…何かやだ!」


物凄く失礼なこと言ってる気がするけど、嫌なものは嫌だ。


だって未だにエルのイメージって、偉そう、無遠慮、身勝手…とにかく俺様って感じなんだもん!


「そう?褒めてるのに…あ」


「あ」の部分に気をとられてアスティの視線を追うと、目に飛び込んできた、大きな建物。


それが何なのか、すぐにでも分かる。


「お城だ…!」


初めて目の当たりにする本物のお城に、思わず感動する。


口をポカンと開けてお城を見上げるあたしに、アスティが笑う。


「中に入ったら、好きなだけ見てもいいよ」


「え!…あ、やっぱり、大丈夫。本来の目的は、アスティのお父さんの様子を見ることだもん」


危ない、本来の目的を見失うとこだった。


アスティはもう一度笑うと、お城を見上げた。


「―――行こっか」


あたしは頷くと、アスティの背中を追いかけた。