体育館には初めて見る沢山の顔があって、高校生になったんだぁ。改めて実感する。


「ねぇ、名前なんて言うの?」

私の隣に座っていた女の子が急に話し掛けてきた。

『え…道上。』

下を向きながら言う。

私って人見知り激しいのかも…。

「名字じゃなくて、下の名前は?」

『さくら…。』

「可愛い名前−。私は、百合。よろしくねぇ。」

『あ、はぁ…よろしく……。』

百合は、見た目大人っぽいのに、笑ったら子供みたいに可愛い子だった。



百合と話していたら、すぐに入学式の始まる合図が鳴った。


ダラダラと長い話しをする先生達。
つまらないなぁ。
なんて思いながら話しを聞いてた。


「生徒会長−歓迎の言葉。」

ステージに立ったのは男の人。

背はスラっとしてて高めで、髪は自然な茶色。
短くなく、長くもない髪型が似合ってた。


あ…ちょっとカッコイイかも……。

「カッコイイねぇ。」

隣の百合が呟く。

『うん…』

私は、何故だかか吸い込まれるようにその人に見入ってた…







「生徒代表。伊藤流華−」

その人が話し終わり、ステージから降りる時、目が合った気がした。

でも、すぐに反らされた…。


本当にカッコイイ人だなぁ。


それから私達は教室に戻った。