『あ…綺麗…』


ひらひら舞い落ちる桜の花びら見て、思わず私の足が止まった。


『どうして散っちゃうんだろぉ…
なんか…』

誰かに背中を突かれ、その先の言葉を私は飲み込んだ。

振り返るとそこには親友の舞がいた。

「お待たせ。さくら。」

『舞、遅いよぉ』

「ごめん。ごめん。なかなか髪型、決まらなくてさぁ−」

『舞、気合い入れ過ぎだから。』

「だって最初が肝心じゃん。」

『まぁね……』

笑いながら私は言った。