きっと大神様の元へ大勢の人が押し寄せ、口々に責め立てたのだろう。


“オメェが吉備の国を陥れたんじゃ”

“オメェが不幸を運んできたんじゃ”


一度は異色な自分を受け入れてくれた人達。

それが嬉しくて答えたら、更に喜んでくれて仲間に入れてくれた。


その仲間が疑いの目を向け、自分の存在を否定してくる。


自分の発する言葉も、全て疑われたに違いない。


罵倒から逃れたくて、耳を塞いでも心は休まらなくて。


耐え抜ける状況じゃない。


大神様が味わった苦しみや辛さは、きっと私の今の想像を、はるかに越えているだろう。