「教えることになった技術は製鉄と製塩。
地味でも、これがないと農業も商工も、なんも発達せん。
言いだしたんはワイじゃ」
……大神様が?
人間界の農業や商工の発達を考えて?
「そんな意外そうな顔せんでくれん?」
どうやら私は、夢か現実かわからない、曖昧な意識だというのに、ちゃっかり怪訝な顔はしていたらしい。
私を見て、大神様が短く笑ったのが聞こえた。
「ワイも貢献しとった、言うたじゃろ?
それなりに……人間界のこと、考えとったんじゃけぇ」
語尾が切なく聞こえたのは……私の意識がハッキリしていないせいか、方言のせいか、それとも……。