大神様の声はだんだんと遠くなっていく。


それでもまだ耳に届いてる……ウタクを助けるまで、意識は手放しちゃいけない。


大神様は私の様子を気にするでもなく、淡々と喋り続ける。


「ワイもはじめは神の世界で、全ての獣の神をまとめる大神として存在しとった。

他にも山の神をまとめる大神や、田の神の大神、岐の神(ちまたのかみ)の大神、

いろんな神がおって、それぞれをまとめる大神がおった。


今考えれば、神の世界は随分と居心地の悪ぃとこだったんじゃな」


大神様の肩書は、今と変わりなく大神。

ウタクやナライ……動物の神をまとめる神様。


大神様は昔を思い出しているのか、少し間をおいてから口を開いた。