「あやかしってことは、妖の世界。まぁ妖怪の世界っちゅうことじゃ。

神の世界はまた別にある」



ウタクは自分がいる世界を説明する時、

「あやかしの世界……と言えばいいか」と言って、

神の世界とは言わなかった。


ウタクやナライが神様だから、てっきり神様がいるところだと思っていたけど、そうじゃなかったんだ。


でもそうなると、ウタクやナライは神様じゃなくなるの……?


「えらい苦しそうじゃけど、頭の中は困惑しとるっちゅーことはわかるもんじゃな」


大神様が私を見てせせら笑う。


「まぁ、最後までよぉ聞ぃとけ。ワイの話を土産に、あの世行ったらえぇわ」


誰があの世なんて行くものか。


思いだけはあるけど……ほんの少し、眠たい……


なんて、認めたくないけど。